タイは微笑みの国と呼ばれるほど人々が穏やかで親しみやすい印象を持たれる国ですが、その裏には敬意や礼儀に対する深い文化的価値観があります。
観光客として「気づかずに失礼なことをしてしまう」ケースも多く、知らないうちに地元の人を不快にさせたり、最悪の場合は法律に触れる行為になってしまうことも。
この記事では、タイを訪れる前にぜひ知っておきたい「やってはいけない7つの行動」とその背景をわかりやすく解説します。
1. 仏像に触れる・登る・ふざける行為
タイ人にとって仏像は神聖な存在であり、敬意を払うべき対象です。
- 仏像の前でポーズを真似たり、背を向けて記念撮影する行為は無礼とされる
- 特に子どもが登る、足を向ける、もたれかかるなどは絶対に避けること
- 一部の外国人観光客の「仏像とのふざけた写真投稿」が問題視され、国外追放された例もあります
2. 王室への批判・王様の写真を軽んじる行為
タイには王室に対する不敬を禁じる「不敬罪(レース・マジェステ法)」があります。
- 王室に関する否定的な発言・SNS投稿は最大15年の禁固刑
- 紙幣にも王様の肖像があるため、足で踏んだり、粗末に扱う行為も厳禁
- 空港や駅では王族のポスターが掲示されており、無礼な振る舞いは非常に敏感に見られます
3. 頭を触る・頭越しに物を渡す
タイでは「頭は最も神聖な場所」とされており、たとえ親しい間柄でも頭に触れるのはNGです。
- 子どもの頭をなでるのも失礼にあたる
- 人の頭の上を越えて物を渡すのもタブー
- 背の高い旅行者が無意識にやってしまいやすいので注意
4. 足で物を指す・動かす・足を向ける
足は「最も汚れていて下品な部位」とされ、足を使ったあらゆる行動が無礼とみなされます。
- 寺院では足を仏像や僧侶に向けて座らないこと
- テーブルの下で足を組み、人に足裏が見える状態も失礼
- 地元の人と一緒にいるときには特に配慮を
5. 露出の高い服装で寺院に入る
タイの寺院は宗教的な場所であり、服装マナーが厳格です。
- 肩・太もも・お腹が露出した服では入場を拒否されることも
- ミニスカート、キャミソール、タンクトップなどは避ける
- スカーフやサロン(腰布)を持参するとその場で対応できて便利
6. 公共の場でのキスや過度なスキンシップ
東南アジア全般に言えますが、タイでは公共の場での恋人同士のスキンシップには否定的な見方が強く残っています。
- キスや長時間のハグは「不謹慎」と捉えられる可能性
- 特に寺院、公共交通機関、食堂などでは控えるのがマナー
7. 食事のマナー違反(箸の使い方・取り分け方)
タイでは食事も文化の一部であり、共有スタイルが基本です。
- 個人の箸で他人の料理を直接取るのは「不潔」とされる
- 必ず取り分け用スプーンを使うこと(大皿料理には基本的に備え付け)
- 箸は麺類専用で、一般的な食事はフォークとスプーンが基本
番外編:意外とやってしまいがちなNG行動
- ATMで現金を引き出したあと、紙幣を地面に置いて整理する
- 自分のカバンや靴を仏像に向けて置いてしまう
- タイ人との会話で、王室・政治・宗教の話題を振る
タイで好印象を持たれる行動・心がけたいポイント
マナー違反を避けるだけでなく、ほんの少しの心がけで現地の人に「感じのいい旅行者だな」と思ってもらえることも。
1. 「サワディーカップ/カー」での挨拶
タイ人は挨拶をとても大切にします。簡単な一言でも挨拶があるだけで、現地の人の対応は大きく変わります。
2. 軽く手を合わせてお辞儀(ワイ)
寺院や年配の方に会ったときなど、軽く手を合わせて頭を下げる仕草(ワイ)をすると、敬意が伝わり好印象に。
3. 笑顔で接する
日本人は無意識に真顔になりがちですが、タイでは柔らかい笑顔が“礼儀”と受け取られます。ちょっとした笑顔が円滑なコミュニケーションにつながります。
4. 店員やドライバーにも「ありがとう」を忘れない
感謝の一言(コップンカップ/カー)は、現地の人との距離をぐっと縮めます。
5. 靴を脱ぐ場所・整理整頓を自然に守る
脱いだ靴をきれいに揃える、共有スペースを汚さないといった基本的な配慮が、目立たないけれど高評価につながります。
まとめ|マナーを知ることで旅がより豊かになる
文化の違いを知ることは、現地の人々への敬意を示す第一歩です。
タイの人々はとても親切で穏やかですが、礼儀や神聖なものへの価値観は日本とは大きく異なります。
事前にマナーや文化を理解することで、誤解や不快な思いを避け、心から歓迎される旅を楽しむことができます。知らずに損をしないためにも、こうした知識を旅の前に一度確認しておくことをおすすめします。
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