【要注意】カンボジアの治安は?危険?シェムリアップ・プノンペン旅行の注意点と安全対策まとめ

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旅行する人

カンボジアの治安って実際どうなの?どんなトラブルがおおい?
なにを気をつけたらいいのか知りたいな・・・。

女性のひとり旅だと危険?やっぱり保険は必要?

そんな声にお答えします。

 おまかせください
本記事の内容
  • カンボジアの世界的・治安ランキング情報
  • よくある犯罪・事故と対策、困ったときの連絡先
  • 知らないと困る法律やNGマナーまとめ
  • もしもの時の医療費や、保険に入るべきかどうか

シェムリアップやプノンペンなど、カンボジアへの旅行は楽しみですが少し治安が不安ですよね。

この記事をよめば、カンボジアで気をつけることがわかり、トラブルを避けやすくなります

リスクにそなえ、カンボジア旅行を全力で楽しみましょう。

外務省や在カンボジア大使館、現地警察などの情報および、ニュースや体験談を基に記事作成しています。

目次

カンボジアの治安は要注意!

カンボジアへのご旅行、特に初めて海外へ行かれる方は、現地の治安について気になることが多いですよね。
日本の安全な環境に慣れていると、海外の状況は想像しにくいかもしれません。ここでは客観的なデータに基づき、カンボジアの治安状況を詳しく見ていきましょう。

日本よりも治安がよくないのは大前提です!!

カンボジア・世界的治安ランキング

世界平和度指数 : 73位 / 163ヵ国
危険
73位
平和
Nubeo 安全指数:97位 / 143ヵ国
危険
低い
安全

世界の国々がどれだけ平和かを示す指標があります。「世界平和度指数(Global Peace Index)」や「Numbeo Safety Index」です。これらを見ることで、カンボジアの治安レベルを大まかに掴むことができます。

Global Peace Index (GPI) 2024

2024年の世界平和度指数において、カンボジアは163カ国中73位という結果でした。スコアは1.999です。この指数は社会の安全や紛争の程度などから平和度を測定するもので、数値が低いほど平和と評価されます。

ちなみに日本は同指数で17位、スコアは1.481と評価されており、世界的に見ても非常に平和な国の一つです。カンボジアの順位は日本より低いため、日本よりも慎重な注意が求められる環境だとわかります。

Numbeo Safety Index 2025

Numbeoは、世界中の都市や国の安全度などに関するユーザー投稿型のデータベースです。Safety Indexは数値が高いほど安全とされます。

カンボジアの主要都市プノンペンのSafety Indexは32.05(Crime Indexは67.95)と報告されており、これは「安全度が低い」レベルに分類されます。

日本のSafety Indexは77.3でした。これは世界で9番目に安全な国という評価です (出典: Numbeo)。日本のスコアと比較すると、リスクをかなり高く感じる可能性があると言えるでしょう。

国名Global Peace IndexNumbeo Safety Index
日本 17位10位
カンボジア 73位97位
Numbeo Safety Index
東京
75.3
プノンペン
47

カンボジアの犯罪発生データと日本との比較

ここでは具体的な犯罪の種類ごとに、カンボジアの発生状況を日本のデータと比較してみましょう。「殺人」「窃盗」「強盗」といった犯罪が、人口10万人あたりでどのくらい発生しているか見ていきます。

  • 殺人・強盗・窃盗の発生状況:
    • カンボジアの犯罪統計は、全てが正確に報告されているわけではない点に留意が必要です。在カンボジア日本国大使館の報告を見てみましょう。2022年1月~3月の統計では、殺人55件、強盗27件、ひったくり79件、窃盗275件が報告されました。しかし、「統計に含まれていない件数も多数あり、実際の犯罪発生件数はこれよりも多いものと考えられる」とされています (出典: 在カンボジア日本国大使館)。
    • 日本の2023年の殺人事件の発生率は、人口10万人あたり約0.74件です。一方カンボジアの数値を単純に年間換算すると、殺人発生率は約1.29件となります。日本より高い水準にある可能性が示唆されます。
    • 特に注意すべきは、銃器を使用した強盗事件が度々発生している点でしょう。これらは過去の内戦時に国内に持ち込まれたものです (出典: 外務省海外安全ホームページ)。銃器が絡む凶悪犯罪のリスクは、日本ではほとんどありません。この点は日本の常識との大きなギャップとして認識する必要があります。
  • テロ・政治情勢・治安不安リスク:
    • 現在、カンボジアで国際的なテロ組織の活動は確認されていません。しかし過去には反政府組織によるとみられる爆弾テロ計画も報じられました。そのため不特定多数が集まる場所では、常に一定の警戒心を持つことが推奨されます (出典: 外務省海外安全ホームページ)。

外務省+在カンボジア大使館からの治安情報

外務省の危険レベル1
危険
4
3
2
1
0
安全

日本の外務省や現地の日本国大使館は、海外を旅する日本人のために最新の安全情報を発信しています。これらの情報は現地の治安状況を把握し、具体的な対策を立てる上で非常に重要です。

  • 外務省の危険情報レベル:
    • 現在、カンボジア全土に対して「レベル1:十分注意してください」が発出されています(継続)。
    • これは渡航中止を促すものではありません。しかし日本国内とは異なる危険が存在するため、常に安全に気を配る必要があります。特にプノンペンやシェムリアップでは、日本人を含む外国人が犯罪の標的になるケースが報告されているのです (出典: 外務省海外安全ホームページ)。

  • 在当地大使館・総領事館からの注意喚起の概要:
    • 在カンボジア日本国大使館は注意を呼びかけています。ひったくり、スリ、置き引き、いかさま賭博などの一般犯罪が多発しているとのことです。特にひったくりは日本人が最も遭遇しやすい犯罪とされています。
    • 交通マナーの悪さから交通事故も多発しています。加えて最近はSNSなどで「高収入」を謳い、カンボジアでの就労を斡旋する手口も増加。実際には監禁され、不法行為を強制される事案が発生しているため注意が必要です (出典: 在カンボジア日本国大使館)。

カンボジア旅行に海外旅行保険は必須

海外旅行では、日本では考えられない高額な医療費がかかることがあります。思わぬトラブルで、多額の費用が必要になることも。特にカンボジアのように日本と医療事情が異なる国へ行く場合は、万が一に備えて海外旅行保険に必ず加入しておきましょう。

スリやひったくり・交通事故が多い

カンボジアでは、残念ながらスリやひったくりといった盗難被害が後を絶ちません。また交通事情も日本とは大きく異なり、交通事故に巻き込まれるリスクも低くはないでしょう。

  • 携行品トラブルの実例費用:
    • スマートフォン盗難:新しい機種であれば10万円以上することも。大切な写真や連絡先も失ってしまいます。
    • パスポート再発行:大使館での手続き費用に加え、写真代や交通費などがかかります。再発行までの滞在延長費用で、数万円かかることもあるでしょう。
    • 海外旅行保険の携行品損害補償は、こうした金銭的な損害をカバーしてくれます。それだけでなく、旅先での精神的な負担を大きく軽減してくれる存在です。

事故・緊急搬送費用が高すぎる

カンボジアで万が一、大きな事故に遭うことがあります。また急病で手術や長期入院が必要になった場合、医療費は非常に高額になる可能性も。特に地方では十分な医療が受けられません。そのため近隣国(タイのバンコクなど)へ、緊急医療搬送が必要になるケースも考えられます。

  • 緊急搬送費用の目安:
    • 近隣国への医療搬送(医療チャーター機など)には、数百万円から1000万円以上かかることも珍しくありません。実際にタイのバンコクへ医療搬送されたケースでは、治療費・搬送費合わせて1,800万円以上かかったと報告されています (出典: 外務省)。
    • 編集長のご友人のような悲しい経験を繰り返さないためにも、保険加入の重要性はいくら強調してもしすぎることはありません。十分な補償額の保険を選びましょう。

犯罪リスク

海外旅行で遭遇しやすいのが犯罪トラブルです。スリや詐欺、強盗など、その手口は様々。
でも事前にどんな危険があるかを知り、しっかり対策をすれば被害に遭う可能性をぐっと減らせます。ここではカンボジアで特に注意したい犯罪と、その対策を詳しく見ていきましょう。

スリ・置き引き・ひったくり

カンボジアではスリや置き引き、特にバイクを使ったひったくりが多発しています。

観光客が集まる場所や移動中など、ふとした気の緩みが狙われることも。大切な持ち物を守るため、手口と対策をしっかり確認することが大切です。

リスクレベル: ★★★★☆

どんな手口?どんな状況?

スリや置き引きは、観光客で賑わう場所で発生しやすいです。例えば市場(プノンペンのセントラルマーケットなど)やショッピングモールが挙げられます。アンコールワットのような場所も注意が必要でしょう。

人混みの中で巧みにバッグから財布を抜き取られたり、レストランで席に置いた荷物が目を離した隙に持ち去られたりします。

ひったくりは、二人乗りのバイクに乗った犯人によるものが典型的です。歩行中やトゥクトゥク乗車中に、後方から音もなく近づいてきます。そして手に持っていたスマートフォンや、肩にかけていたバッグを強引に奪い去るのです。

犯人は刃物でバッグの紐を切断することもあり、抵抗すると怪我をする危険性も伴います。特にプノンペンのリバーサイド地区や、シェムリアップのパブストリート周辺はひったくりが頻発するエリアです。

リアルな体験談 | 口コミ

プノンペンのリバーサイドを友達と歩きながら、スマホで地図を見ていました。するといきなり後ろから来たバイクにスマホをひったくられました!本当に一瞬の出来事で、声も出ませんでした。まさか自分が遭うなんて…。
シェムリアップのパブストリートで食事をしていた時、足元に置いていたリュックサックがいつの間にか無くなっていました。貴重品は別の小さなバッグに入れていたので助かりましたが、お土産とか全部入っていたのでショックでした。

主な対策

気をつけること

  • 貴重品は極力持ち歩かず、ホテルのセーフティボックスを活用する。
  • 現金やカードは複数箇所に分散して持つ。
  • バッグは車道と反対側に持ち、必ずたすき掛けで体の前に抱える。
  • 歩きながらのスマートフォン操作は絶対にしない。
  • トゥクトゥク乗車時は、手荷物を必ず体の中心(膝の上など)に抱える。
もし遭ってしまったら...

  • 犯人を深追いせず、身の安全を最優先する(凶器所持の可能性を考慮)。
  • すぐに最寄りの警察署に被害を届け出て、被害届受理証明書を発行してもらう。
  • 盗まれたクレジットカード等は、直ちに各会社に連絡して利用を停止する。
  • パスポートが盗まれた場合は、速やかに日本国大使館・領事事務所に連絡する。
  • 詐欺・ぼったくり

    巧妙な手口で観光客を騙そうとする詐欺や、法外な料金を請求するぼったくりも存在します。
    「自分は大丈夫」と思わず、典型的な手口を知っておくことが大切です。
    特に親切に近づいてくる人には、少し警戒心を持つことも必要かもしれません。

    リスクレベル: ★★★★☆

    どんな手口?どんな状況?

    カンボジアで特に悪質なのが、被害額が大きくなりやすい「いかさま賭博詐欺」でしょう。主にプノンペンで発生しており、流暢な日本語で親しげに声をかけ「自宅でお茶でも」などと誘い出すのがその手口。その後、複数人のグループが役割を分担し、ターゲットを心理的に追い詰めていきます。最終的にはトランプ賭博で多額の金銭を騙し取るのです。

    タクシーやトゥクトゥクのぼったくりも日常的に発生しています。メーターを使用しなかったり、わざと遠回りしたりします。降車時に不当な高額料金を請求する手口です。特に空港から市内への移動時や、アンコール遺跡群を巡るチャーター時にトラブルが起きやすくなっています。またアンコールワット周辺では、子供や大人がしつこく物を売りつけたり、寄付を強要したりするケースも見られます。

    リアルな体験談 | 口コミ

    プノンペンで日本語が上手な人に「日本の話が聞きたい」と誘われました。ついて行ったら、いつの間にかカードゲームが始まっていました…。気づいたら大金を賭けることになり、ATMでお金を下ろす羽目になりました。完全に仕組まれていたんだと思います。
    シェムリアップでトゥクトゥクをチャーターした時のことです。乗る前に料金交渉したはずなのに、最後に倍近い値段を請求されました。「遠回りしたからだ」とか言われて…。言葉もあまり通じず、結局言い値で払ってしまいました。

    主な対策

    気をつけること

    • 街中で日本語で親しげに声をかけてくる見知らぬ人には、安易について行かない。
    • 「困っている」「簡単に儲かる」といった、うまい話には絶対に乗らないこと。
    • タクシーやトゥクトゥクは乗車前に料金を明確に交渉する(配車アプリ推奨)。
    • メーター付きタクシーでは、乗車時にメーターが作動しているか必ず確認する。
    • しつこい物売りや寄付の要求は、不要であれば毅然とした態度で断る。
    もし遭ってしまったら...

  • 身の危険を感じる状況では抵抗せず、金銭を渡すこともやむを得ない。
  • 詐欺に気づいたら、すぐにその場を離れて安全な場所に避難する。
  • 警察に被害を相談する(ただし解決は難しい場合が多い)。
  • カードで支払った場合は、すぐにカード会社に連絡し不正利用の可能性を伝える。
  • 日本国大使館または領事事務所に状況を報告し、アドバイスを求めること。
  • 強盗・暴行・薬物

    残念ながらカンボジアでは、強盗や暴行といった凶悪犯罪も発生しています。日本とは異なるレベルの注意が必要です。特に夜間や人通りの少ない場所での行動は慎重に。また薬物が絡んだ犯罪に巻き込まれないよう、警戒を怠らないでください。

    リスクレベル: ★★★★★

    どんな手口?どんな状況?

    カンボジアにおける強盗は、夜間や早朝、人通りの少ない路地裏などで発生しやすい傾向があります。犯人はナイフや銃器といった凶器を所持していることも。被害者が抵抗した場合、生命に危険が及ぶ可能性も考えられます。

    特に注意が必要なのが昏睡強盗です。バーなどで親しくなった人物から勧められた飲食物に、睡眠薬などが混入されていることがあります。それを口にし意識を失った隙に、金品を奪われる卑劣な手口。自分の飲み物から目を離さないといった基本的な注意が非常に重要になります。またカンボジアでは麻薬などの違法薬物の所持や使用は、終身刑を含む厳しい罰則が科されることがあるので絶対にやめましょう。

    リアルな体験談 | 口コミ

    プノンペンのバーで、隣の席の人と話してビールをご馳走になりました。それが最後で、気づいたら翌朝ホテルの部屋でした。財布の中の現金が全部なくなっていて…。たぶん何か入れられたんだと思います。本当に怖かったです。
    シェムリアップで夜、ホテルに戻る途中に暗い道を歩いていました。すると突然数人の男に取り囲まれ、ナイフのようなものを突きつけられました。怖くて持っていた財布とスマホを渡したら、男たちは去っていきました。怪我がなくて本当によかったです。

    主な対策

    気をつけること

    • 夜間の一人歩き、特に人通りが少なく照明の乏しい場所は絶対に避ける。
    • 見知らぬ人から勧められた飲食物は、安易に口にしないこと。
    • バーやクラブなどでは、自分の飲み物から絶対に目を離さない。
    • 違法薬物には絶対に関わらない。他人から荷物を預かることも厳禁です。
    • 多額の現金や高価な装飾品は持ち歩かないか、目立たせないように。
    もし遭ってしまったら...

  • 絶対に抵抗しない。犯人を刺激せず、身の安全を最優先する。
  • 犯人の要求(金品など)には、落ち着いて従うこと。生命より大切なものはない。
  • 犯人が立ち去ったら、すぐに安全な場所に避難し、警察に通報する。
  • 薬物被害が疑われる場合は、速やかに信頼できる医療機関を受診する。
  • 日本国大使館または領事事務所に連絡し、助けを求める。
  • 事故・自然災害リスク

    海外での不慮の事故や予期せぬ自然災害は、旅行計画を大きく狂わせます。時には命に関わる事態にもなりかねません。事前の情報収集と心構えが大切です。

    交通事故(バイク・レンタカー・バス)

    カンボジアの交通事情は日本と大きく異なり、残念ながら交通事故が多発しています。特にバイクの交通量が多く、運転マナーも日本とは違うため細心の注意が必要です。

    リスクレベル: ★★★★☆

    どんな事例?どんな被害が?

    カンボジアでは交通法規の遵守意識が全体的に低いです。スピードの出し過ぎや信号無視、無理な追い越し、逆走などが日常的に見受けられます。WHOのデータによると、カンボジアの交通事故死亡率は日本の約7倍。客観的に見ても交通事故リスクが非常に高い環境だと言えるでしょう。

    観光客が乗っていたトゥクトゥクが横転する事故や、歩行中にバイクにはねられる事故が報告されています。日本の運転免許や交通感覚は通用しないと考えてください。「自分は運転しないから大丈夫」という油断は禁物。歩行者であっても、予期せぬ方向から危険が迫ることが日常的にあります。

    リアルな体験談 | 口コミ

    プノンペンで大通りを渡ろうとしたら、信号が青なのにバイクが猛スピードで突っ込んできました。本当に肝を冷やしました。こっちの人は交通ルールをあまり守らないみたいです。横断する時は日本の感覚じゃダメですね。
    シェムリアップでトゥクトゥクに乗っていたら、交差点で他のトゥクトゥクとぶつかりそうになりました。運転手さんが上手く避けてくれて良かったものの、一瞬ヒヤッとしました。結構スピードも出すし、車間距離も近いので気が抜けません。

    主な対策

    気をつけること

    • 道路を横断する際は、信号が青でも油断せず、左右を十分に確認する。
    • 歩行中も、常に周囲のバイクや車の動きに注意し、イヤホンの使用は避ける。
    • 事故リスクが高いバイクタクシー(モトドップ)の利用は極力避けること。
    • トゥクトゥクやタクシーは、配車アプリ(Grabなど)かホテル手配を利用する。
    • 視界不良や飲酒運転リスクが高まる夜間の車両移動は、極力控える。
    もし遭ってしまったら...

  • まず自身の安全を確保し、可能であれば安全な場所に移動する。
  • 警察と、必要であれば救急に連絡すること。
  • 負傷者がいる場合は、むやみに動かさず救急隊の到着を待つ。
  • 加入している海外旅行保険会社に速やかに連絡し、指示を仰ぐ。
  • 警察から事故証明書(ポリスレポート)を必ず入手する。
  • 自然災害・気象リスク(洪水・台風・熱中症・PM2.5)

    カンボジアは熱帯モンスーン気候に属し、雨季と乾季が明確です。それぞれの季節特有の気象リスクがあります。また近年ではPM2.5による大気汚染も懸念されています。

    リスクレベル: ★★★☆☆

    どんな事例?どんな被害が?

    カンボジアの雨季(おおむね5月~11月)には、スコールと呼ばれる集中的な大雨が降ります。これにより、都市部の道路冠水や洪水が発生しやすくなるのです。特にシェムリアップではシェムリアップ川が氾濫し、観光に影響が出たこともありました。

    一方乾季の終わり頃(3月~5月)は年間で最も気温が高くなります。40℃近くまで上昇することもあり、熱中症のリスクが非常に高まります。近年では、乾季の野焼きなどが原因でPM2.5による大気汚染が問題視されることも。呼吸器系が弱い方は注意が必要です。

    リアルな体験談 | 口コミ

    シェムリアップに9月に行った時、連日ものすごいスコールでした。ホテルの前の道が完全に川みたいになってしまって。トゥクトゥクもなかなか進めず、アンコールワット観光の予定が大幅に狂っちゃいました。
    4月にカンボジアへ行ったのですが、本当に暑かったです。アンコールワットを観光中、こまめに水分補給していたつもりでも、少し頭がクラっときて熱中症寸前でした。帽子と日傘、塩分補給タブレットは必須だと感じました。

    主な対策

    気をつけること

    • 雨季に旅行する場合は、折り畳み傘やレインコート、濡れてもよいサンダルを準備する。
    • 暑い時期は日中の屋外活動を避け、こまめな水分・塩分補給を心がけること。
    • 季節を問わず、帽子やサングラス、日焼け止めで紫外線対策を徹底する。
    • PM2.5濃度が高い日は、不要不急の外出を控えるか、高性能マスクを着用。
    • 渡航前に天気予報や大気汚染情報(AQIなど)をチェックしておく。
    もし遭ってしまったら...

  • 洪水で移動が困難になった場合は、無理せず安全な高い場所に避難する。
  • 熱中症の初期症状を感じたら、涼しい屋内で休息し体を冷やす。水分と塩分も補給し、悪化すれば医療機関へ。
  • PM2.5で咳が止まらないなど症状が出た場合は屋内で安静に。重い場合は医療機関へ。
  • 大規模な災害時は、最新情報を収集し、大使館や現地当局の指示に従うこと。
  • 医療・衛生リスク

    海外では、日本とは異なる医療環境や衛生状況に直面することがあります。感染症や食あたりなど、健康に関わるリスクへの対策も考えておきましょう。

    感染症・狂犬病

    カンボジアは熱帯地域にあり、蚊が媒介する感染症や動物から感染する狂犬病などのリスクが日本よりも高い環境です。正しい知識を持ち、予防策を講じることが非常に重要になります。

    リスクレベル: ★★★★☆

    どんな症状?どんなリスク?

    カンボジアで特に注意が必要な感染症は、蚊が媒介するデング熱です。突然の高熱や激しい頭痛、関節痛などの症状が現れ、重症化すると生命に関わることもあります。都市部でも日常的に発生し、雨季に患者が増加する傾向にあります。

    動物から感染する病気で最も警戒すべきは狂犬病でしょう。狂犬病ウイルスを持つ犬や猫、猿などに咬まれたり引っ掻かれたりすることで感染します。**発症した場合の致死率はほぼ100%**という非常に恐ろしい病気です。カンボジアは狂犬病の発生国であり、都市部でも野犬が多いためむやみに動物に近づくことは絶対に避けてください。

    リアルな体験談 | 口コミ

    シェムリアップのゲストハウスで夜中に蚊に刺されたな、と思っていたら数日後に急に高熱が出て…。病院に行ったらデング熱と診断されました。もっと虫除け対策をしっかりすればよかったです。日本じゃないんだと痛感しました。
    カンボジアの田舎道を散策していたら、犬に追いかけられてズボンの裾を少し噛まれました。幸い傷は浅かったですが、狂犬病のことが頭をよぎり、すぐに現地の病院でワクチンを打ってもらいました。本当に怖かったです。

    主な対策

    気をつけること

    • 渡航前に、推奨される予防接種(A型肝炎、破傷風など)について医師に相談する。
    • 蚊に刺されないよう、虫除けスプレーを使い、長袖・長ズボンで肌の露出を避ける。
    • 犬や猫、猿などの動物には、たとえ可愛く見えても絶対に近づかない、触らないこと。
    • 不用意に草むらや藪の中、衛生状態の悪い水たまりなどには近づかない。
    もし遭ってしまったら...

  • 動物に咬まれたり引っ掻かれたりした場合は、直ちに傷口を大量の石鹸と水で15分以上よく洗い流す。
  • その後、速やかに医療機関を受診し、狂犬病の暴露後ワクチン接種について医師の指示を仰ぐ。
  • 高熱や頭痛などデング熱などを疑う症状が出たら、速やかに医療機関を受診する。
  • 加入している海外旅行保険会社に連絡し、医療機関の紹介などを相談すること。
  • 食あたり・体調不良

    慣れない土地での食事や環境の変化で、お腹を壊したり体調を崩したりすることは海外旅行ではよくあるトラブルです。カンボジアの美味しい料理も、衛生状態には少し注意が必要な場合があります。

    リスクレベル: ★★★☆☆

    どんな原因?どんな症状?

    カンボジアでの食あたりの主な原因は、汚染された飲食物の摂取です。特に注意が必要なのは、生水(水道水)や水道水で作られた氷でしょう。生の野菜や、加熱が不十分な肉や魚介類なども気をつけましょう。屋台や、見た目の衛生管理が行き届いていないレストランでの食事はリスクが高まります。

    症状としては、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが一般的です。下痢がひどい場合は脱水症状に陥りやすいため、水分補給が非常に重要になります。また高温多湿な気候や、冷房による寒暖差で体調を崩すこともあります。

    リアルな体験談 | 口コミ

    プノンペンの市場で食べた屋台の焼きそばが美味しかったのですが、その日の夜からひどい下痢と腹痛に襲われました…。たぶん、一緒に出てきた氷入りのジュースが原因だったのかもしれません。
    アンコールワット観光で一日中暑い中を歩き回り、冷たいシェイクを何杯も飲みました。するとその日の夜からお腹の調子が悪くなってしまいました。暑さで免疫力が落ちていたのもあるかもしれません。

    主な対策

    気をつけること

    • 飲用には必ず未開封のミネラルウォーターを選び、水道水は絶対に飲まない。
    • レストランで提供される氷は、不安な場合は「氷なし」で注文する。
    • 生の野菜や、加熱が不十分な肉・魚介類の摂取は信頼できる店で。
    • 屋台では、目の前で調理され十分に加熱されたものを、熱いうちに食べる。
    • 食事の前には必ず石鹸で手を洗うか、手指消毒ジェルを使用する。
    もし遭ってしまったら...

  • 下痢や嘔吐がある場合は、経口補水液などでこまめに水分・電解質を補給する。
  • 症状が軽い場合は、消化の良い食事を少量ずつ摂り、胃腸を休ませること。
  • 自己判断で強い下痢止め薬を服用するのは避け、医師の指示に従う。
  • 症状が重い、または改善しない場合は、速やかに医療機関を受診する。
  • 医療費用とクレカ保険の補償額

    海外で急な病気やケガをしてしまった場合、日本とは比較にならないほど高額な医療費がかかることがあります。言葉の壁や慣れない環境での治療は不安も大きいですよね。万が一の事態に備えて、海外旅行保険への加入は絶対に必要です。ここでは、カンボジアでの医療費の目安や、クレジットカードに付帯している保険でどこまでカバーできるのかを見ていきましょう。

    入院・手術したときの相場

    カンボジア、特に首都プノンペンや観光都市シェムリアップには、外国人向けの私立病院があります。ある程度の医療水準は期待できますが、その分医療費は日本と比較して非常に高額になる傾向があります。

    いくらかかる?相場は?

    カンボジアの私立病院では、虫垂炎(盲腸)の手術と数日間の入院で総額70万円以上かかるというデータがあります。また設備の整った近隣国(タイのバンコクなど)へ、緊急医療搬送が必要になる場合も。その場合、費用は桁違いに跳ね上がります。実際にバンコクへ搬送され、総額1,800万円以上の費用が発生した事例も報告されています。

    日本の国民健康保険などは海外での治療費に直接適用されません。帰国後の還付額も、現地の高額な医療費をカバーするには不十分な場合がほとんどでしょう。「治療費の支払い能力がないと診察を拒否されることもある」という厳しい現実も認識しておく必要があります。

    リアルな体験談 | 口コミ

    カンボジアでバイク事故に遭い、現地の私立病院に数日間入院しました。幸い手術は免れましたが、請求額を見てびっくり!日本円で100万円近くかかっていました。海外旅行保険に入っていたのでキャッシュレスで対応してもらえましたが、もし入っていなかったらと思うとゾッとします。
    旅行中に高熱と激しい腹痛で動けなくなり、プノンペンの日系のクリニックで診てもらいました。点滴と薬の処方で数万円かかりましたが、持っていたクレカ付帯保険のサービスに電話したら、病院の手配から支払いまでスムーズに進めてくれて本当に助かりました。

    クレカ付帯保険でカバーできる?

    多くのクレジットカードには海外旅行傷害保険が付帯しています。しかし「カードを持っているから万全」と安心するのは早計です。補償内容や適用条件はカードによって大きく異なり、十分な補償が得られないケースも少なくありません。

    どんな補償内容?

    クレジットカード付帯保険は、「自動付帯」と「利用付帯」があります。お手持ちのカードがどちらのタイプか、必ず事前に確認しましょう。「自動付帯」は持っているだけで適用されます。「利用付帯」は、旅行代金などをそのカードで支払った場合にのみ適用されるものです。

    特に確認すべきは、病気やケガの治療費をカバーする「疾病治療費用」「傷害治療費用」の補償限度額でしょう。カンボジアでの高額な医療費を考えると、この項目がそれぞれ数百万円以上の手厚い補償になっているかが重要です。年会費無料のカードでは、この治療費用が低めに設定されている場合もあるため注意が必要です。

    気をつけること

    • 手持ちカードの保険の適用条件(自動/利用付帯)と補償内容を必ず確認する。
    • 利用付帯の場合は、保険適用の条件となる支払い(航空券など)をそのカードで行う。
    • 補償額が不十分なら、他のカードとの併用や別途有料の保険加入を検討すること。
    • 保険会社の緊急連絡先(24時間対応アシスタンスなど)を控えておく。
    もし遭ってしまったら...

  • トラブル発生後、速やかに保険のヘルプデスクに連絡し、指示を仰ぐ。
  • キャッシュレス・メディカルサービスが利用できる場合は、提携病院を紹介してもらう。
  • 治療費等を立て替えた場合は、請求に必要な書類(診断書、領収書など)を必ず保管する。
  • 帰国後は、定められた期限内に速やかに保険金請求手続きを行う。
  • 法律とNGマナー

    海外では、日本とは異なる法律や文化的なマナーが存在します。知らずに違反すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるので注意が必要です。

    知っておくべき法律・規制

    カンボジアに滞在する上で、特に注意すべき法律や規制がいくつかあります。これらを知らないと、オーバーステイや薬物関連のトラブルなど、深刻な事態に陥る可能性があります。

    リスクレベル: ★★★★★

    注意すべき法律、規制は?

    ビザと滞在資格: 観光ビザの有効期限を超えて滞在する「オーバーステイ」は不法滞在です。1日あたり10米ドルの罰金が科されます。罰金を支払わなければ出国できず、将来的な入国拒否に繋がる可能性もあるでしょう。

    薬物関連: カンボジアでは、麻薬などの違法薬物の所持や使用、取引は極めて厳しく罰せられます。外国人であっても例外ではなく、違反した場合は終身刑を含む重刑に処されることも。興味本位で手を出したり、他人から荷物を預かったりする行為は絶対に避けてください。

    ドローン規制: プノンペン市内やアンコールワット遺跡群など、多くの場所で事前の許可なくドローンを飛行させることは禁止されています。無許可で使用した場合、罰金や機材の没収、場合によっては逮捕される可能性もあるので注意しましょう。

    リアルな体験談 | 口コミ

    観光ビザの期限が切れているのに気づかず、数日間オーバーステイしてしまいました。出国時に空港で指摘され、1日10ドルの罰金を払う羽目に…。ちゃんとビザの有効期限を確認しておけばよかったと反省しました。
    友人がカンボジアのパーティーで、現地の若者に勧められて興味本位で怪しいタバコを吸ってしまったそうです。後でそれが違法な薬物だと知り、逮捕されるんじゃないかと生きた心地がしなかったと言っていました。

    主な対策

    気をつけること

    • パスポートのビザの有効期限を確認し、期限内に延長手続きを行うか出国する。
    • 違法薬物には絶対に関わらない。勧められてもきっぱり断り、他人から荷物を預からないこと。
    • 処方薬を持ち込む場合は、事前に規制対象か確認し、英文の処方箋等を携帯する。
    • ドローンを使用する場合は、現地の最新規制を確認し、必要な許可を取得する。
    • ゴミのポイ捨て禁止など、現地の法律や条例を遵守する。
    もし遭ってしまったら...

  • オーバーステイに気づいたら、速やかに入国管理局に出頭し指示に従う。
  • 薬物関連のトラブルに巻き込まれたら、すぐに日本国大使館・領事事務所に連絡する。
  • 法律違反で逮捕・拘束された場合は、黙秘権を行使し大使館等への連絡を要求すること。
  • 不当な罰金を請求されたら安易に支払わず、大使館等に相談する。
  • 冷静に対応し、法執行官には敬意を払った態度で接する。
  • 文化的マナー・NG行動

    カンボジアには仏教の教えに基づいた独自の文化や習慣、そして王室への深い敬意があります。これらを理解せずに行動すると、知らず知らずのうちに現地の人々を不快にさせてしまう可能性があります。

    リスクレベル: ★★★☆☆

    注意すべき点は?

    宗教施設(寺院など)での服装と振る舞い: 寺院やアンコールワット遺跡群は神聖な場所です。肩や膝が露出する服装は避けましょう。特にアンコールワットの第三回廊などでは服装規定が厳しく、入場を断られることがあります。また女性が僧侶の体に触れることは固く禁じられています。

    王室への敬意: カンボジア国民は王室に対して深い敬意を抱いています。国王や王室の肖像画を指さしたり、王室を侮辱するような言動は絶対に避けなければなりません。「不敬罪」も存在します。

    その他一般的に注意すべきマナー: 人の頭は神聖な部分と考えられているため、子供であってもむやみに撫でたりしないようにしましょう。人に足の裏を向けるのも失礼にあたります。

    リアルな体験談 | 口コミ

    アンコールワットの第三回廊に登ろうとしたら、短パンだったので入口で止められてしまいました。慌てて近くの売店でパレオのような布を買い、腰に巻いてなんとか入れました。服装チェックが思ったより厳しくてびっくりしました。
    カンボジア人の友人の家にお邪魔した時、うっかり子供の頭を撫でてしまいました。すると少し気まずい雰囲気になってしまって…。後で聞いたら、頭は神聖な場所だから触っちゃいけないんだと教えてもらいました。文化の違いを改めて感じました。

    主な対策

    気をつけること

    • 寺院など宗教施設では、肩や膝を隠すなど敬意を払った服装を心がける。
    • 女性は僧侶の体に触れないように注意すること。
    • 王室を侮辱するような言動は絶対に避ける。
    • 子供であっても人の頭は撫でず、人に足の裏を向けない。
    • 人物を撮影する際は、必ず事前に許可を得る。
    もし遭ってしまったら...

  • 意図せず失礼な行為をしてしまった場合は、素直に謝罪する。
  • 服装規定などで注意された場合は、素直に従い、改める(上着を羽織るなど)。
  • 現地の人とトラブルになった場合は、感情的にならず、可能であれば第三者に仲介を頼む。
  • 深刻なトラブルに発展しそうな場合は、その場を離れ、警察や大使館に相談すること。
  • もっと知りたい

    夜の治安・ジェンダーリスク

    海外の夜間は、昼間とは異なるリスクが潜んでいます。特に女性は、夜間の一人歩きやクラブでのトラブルに注意が必要です。

    夜間の治安が悪いエリア

    昼間は活気のある観光地も、夜になると雰囲気が一変し、犯罪のリスクが高まる場所があります。事前に危険なエリアを把握しておくことが重要でしょう。

    リスクレベル: ★★★★☆

    どんなエリア?どんなリスク?

    プノンペンではリバーサイド地区やその周辺の歓楽街、ナイトマーケット周辺の暗い路地は、夜間に強盗やひったくりが発生しやすいエリアです。シェムリアップでもパブストリートは夜遅くまで賑わっています。しかし一歩路地に入ると急に人通りが少なくなり、照明も暗くなるため危険度が増します。

    これらのエリアでは、酔っ払いを狙ったスリや、強引な客引きとのトラブル、薬物が絡んだ犯罪に巻き込まれるリスクも高まります。特に深夜から早朝にかけては、現地警察のパトロールも手薄になりがちで、より慎重な行動が求められます。

    リアルな体験談 | 口コミ

    プノンペンのリバーサイドで飲んだ後、少し歩いてホテルに帰ろうとしました。すると暗い道で数人の男に絡まれてしまいました。幸い何も取られませんでしたが、本当に怖かったです。少しの距離でも、夜はトゥクトゥクを使うべきでした。
    シェムリアップのパブストリートは楽しかったけど、少し外れた道を歩いていたら、バイクに乗った人にしつこく声をかけられて怖かったです。すぐに賑やかな大通りに戻りましたが、夜の女性の一人歩きは絶対にダメだと感じました。

    主な対策

    気をつけること

    • 深夜から早朝に、歓楽街やナイトマーケット周辺の暗い路地に近づかない。
    • 夜間の移動は徒歩を避け、信頼できるタクシーや配車アプリを利用する。
    • 酔っ払って一人で行動せず、貴重品は目立たないように管理すること。
    • 強引な客引きは、はっきりと断り、ついて行かない。
    もし遭ってしまったら...

  • 危険なエリアに迷い込んだら、すぐに人通りの多い明るい場所へ移動する。
  • 誰かにつけられていると感じたら、近くのホテルや店に入り助けを求める。
  • 強盗などに遭遇した場合は、絶対に抵抗せず、身の安全を最優先すること。
  • 被害に遭った後は、安全な場所から警察に通報する。
  • 女性ならではのリスク・夜のトラブル

    残念ながら、女性旅行者は性的な嫌がらせや犯罪のターゲットにされやすい傾向があります。特に夜間の行動や、文化的な違いから生じる誤解には注意が必要です。

    リスクレベル: ★★★★☆

    どんなリスク?どんな状況?

    カンボジアでは、露出の多い服装は意図せず性的な誘いと誤解される可能性があります。特に夜間のバーやクラブなどでは、こうした服装がトラブルの引き金になることも。トゥクトゥクのドライバーから不快な言葉をかけられたり、必要以上に体に触れられたりする痴漢行為も報告されています。

    夜道での一人歩きは、強盗や性犯罪に遭遇するリスクを著しく高めます。たとえホテルのすぐ近くであっても、薄暗い路地や駐車場など人目につかない場所は非常に危険です。また親切を装って近づいてきた男性に睡眠薬入りの飲み物を飲まされ、金品を奪われたり性的暴行を受けたりするリスクも存在します。

    シェムリアップで夜に一人でトゥクトゥクに乗ったら、運転手がバックミラーでじろじろ見てきました。関係ない話をしつこく聞いてきたりして、すごく不快で怖かったです。早く降りたい一心でした。複数人で乗るか、信頼できる配車アプリを使うべきでした。

    主な対策

    気をつけること

    • 夜間外出時は、肌の露出が少ない服装を心がける。
    • 夜間の一人歩きは絶対に避け、近距離でも信頼できる交通手段を利用すること。
    • 見知らぬ人、特に男性から飲食物を勧められても安易に口にしない。
    • バーやクラブでは自分の飲み物から絶対に目を離さない。
    • 危険を感じたら大声を出す、「火事だ(Fire!)」と叫ぶなどして周囲の注意を引く。
    もし遭ってしまったら...

  • まず身の安全を最優先し、安全な場所(ホテル、警察署など)に避難する。
  • 性的被害に遭った場合は、速やかに信頼できる医療機関を受診する。
  • 可能な限り、シャワーを浴びたり着替えたりする前に警察に相談する(証拠保全)。
  • 一人で抱え込まず、必ず日本国大使館・領事事務所や信頼できる人に連絡する。
  • 精神的ショックも大きいので、カウンセリングなどのサポートについても相談する。
  • 空港トラブル・ITセキュリティ

    旅の始まりと終わりである空港は、多くの人が集まるためスリや置き引きのリスクが高まります。また現代の旅行に欠かせないインターネットの利用にも、セキュリティ上の危険が潜んでいます。

    空港内のスリ・置き引き注意

    空港は、旅行者の気の緩みや手荷物が多くなるタイミングを狙った犯罪が発生しやすい場所です。チェックインカウンターや保安検査場、搭乗ゲート付近など、混雑する場所では特に注意が必要でしょう。

    リスクレベル: ★★★☆☆

    どんな手口?どんな状況?

    空港でのスリや置き引きは、一瞬の隙を突く巧妙な手口が特徴です。例えばチェックインカウンターで手続きに夢中になっている間に、足元のバッグが盗まれることがあります。また保安検査場で荷物をトレーに乗せる際に、前の人がわざと手間取り、その隙に後ろの仲間が貴重品を抜き取る手口もあります。

    両替所やATM、カフェテリアのテーブルに置いたままのスマートフォンやバッグも格好の標的になります。犯人は旅行者を装っていることも多く、まさかこんな場所で、という油断が被害に繋がるのです。プノンペン国際空港などでも、こうした基本的な注意は不可欠でしょう。

    リアルな体験談 | 口コミ

    プノンペン空港のチェックインカウンターで、パスポートなどを出すのに気を取られていました。すると足元に置いていた小さなバッグがなくなっていました。幸いパスポートは手元にありましたが、財布が入っていたので本当に焦りました。
    シェムリアップ空港のカフェで、スマホをテーブルに置いたままトイレに立ってしまいました…。ほんの数分だったのに、戻ってきたら無くなっていました。自分の不注意ですが、本当に悔しいです。

    主な対策

    気をつけること

    • 荷物は常に体の前で持つか、視界から外さない。
    • 手続きに集中する際は、特に手荷物に注意を払うこと。
    • 貴重品は上着の内ポケットなど、外から見えにくく盗られにくい場所に入れる。
    • カフェなどで席を立つ際は、短時間でも必ず荷物を持って行く。
    • 不審に近づいてくる人物や、話しかけてくる人物には警戒する。
    もし遭ってしまったら...

  • すぐに空港警察や案内所に被害を届け出る。
  • 盗まれたカード類は、直ちにカード会社に連絡して利用を停止する。
  • パスポートが盗まれた場合は、出国手続き前に大使館・領事事務所に連絡する。
  • 搭乗券を紛失した場合は、航空会社のカウンターに相談すること。
  • 保険請求のために、警察からの被害届受理証明書を必ず受け取る。
  • 公共Wi-Fiの危険とVPN対策

    空港やホテル、カフェなどで提供されている無料の公共Wi-Fiは非常に便利です。しかしセキュリティが脆弱なものが多く、通信内容を盗み見される危険性があります。

    リスクレベル: ★★★☆☆

    どんな手口?どんな状況?

    暗号化されていない公共Wi-Fiに接続すると、第三者に通信内容を盗み見られる可能性があります。閲覧しているウェブサイトの履歴や、入力したID、パスワード、クレジットカード情報などです。また正規のWi-Fiスポットになりすました「偽アクセスポイント」に接続してしまい、情報を抜き取られる手口もあります。

    こうしたリスクから個人情報を守るために有効なのが**VPN(Virtual Private Network)**の利用でしょう。VPNは通信内容を暗号化することで、第三者による盗聴や改ざんを防ぎます。VPNサービスを利用すれば、公共Wi-Fiを安全に使うことが可能に。特にネットバンキングなど、重要な個人情報を扱う際にはVPNの利用を強く推奨します。

    リアルな体験談 | 口コミ

    カンボジアのホテルで無料Wi-Fiを使い、日本の銀行口座にログインしようとしました。後から考えたら、セキュリティが甘いWi-Fiで個人情報を入力するのは、すごく危険なことだったなと…。それ以来、海外では必ずVPNを使うようにしています。
    空港のフリーWi-Fiに繋ごうとしたら、同じような名前のWi-Fiがいくつもありました。どれが本物か分からず、偽物に繋いでいたらと思うと怖いです。VPNを使えば、どのWi-Fiに繋いでも通信が暗号化されるので安心感が違います。

    主な対策

    気をつけること

    • 信頼できるVPNサービスを契約し、渡航前に端末に設定しておく。
    • 公共Wi-Fiに接続する際は、必ずVPNをオンにする。
    • 個人情報(ID、パスワード等)を入力する際は、URLが「https://」で始まっているか確認する。
    • 提供元が不明な、怪しいWi-Fiスポットには接続しないこと。
    • スマートフォンのテザリング機能や、海外用ポケットWi-Fi、eSIMの活用も有効。
    もし遭ってしまったら...

  • 不正アクセスや情報漏洩が疑われる場合は、直ちに関連サービスのパスワードを変更する。
  • クレジットカードの不正利用が疑われる場合は、すぐにカード会社に連絡し利用を停止する。
  • 帰国後、PCやスマートフォンのウイルススキャンを行う。
  • 被害状況に応じて、警察や国民生活センターなどに相談すること。
  • 主要都市サマリー&リンク

    プノンペン

    首都プノンペンは、政治・経済の中心地であり活気に満ちていますが、その分リスクも集中しています。特にリバーサイド地区やマーケット周辺では、ひったくりやスリ、いかさま賭博詐欺に最大限の警戒が必要でしょう。交通量が多く運転マナーも悪いため、交通事故のリスクも非常に高いです。夜間は歓楽街周辺の暗い路地には絶対に近づかないように。医療機関は比較的充実していますが、高額な費用がかかるため海外旅行保険は必須です。

    シェムリアップ

    世界遺産アンコールワットの観光拠点であるシェムリアップ。比較的のんびりした雰囲気ですが、観光客を狙った犯罪はプノンペン同様に発生します。パブストリート周辺やナイトマーケットでのスリ・置き引き、トゥクトゥク乗車中のひったくりには注意が必要です。アンコール遺跡群では、服装規定などの文化的マナーを遵守することが求められます。交通事故や雨季の洪水、乾季の熱中症といったリスクにも備えましょう。

    カンボジアで実際にあった悲しい事件・事故

    海外旅行中、予期せぬトラブルに巻き込まれることは残念ながら珍しくありません。ここでは過去にカンボジアや近隣諸国で日本人が経験した具体的な被害事例を紹介します。そこから状況と教訓を学び、安全な旅の参考にしましょう。

    カンボジア・プノンペンでトゥクトゥク乗車中の邦人、ひったくり被害

    時期: 2023年以前 概要: プノンペン市内でトゥクトゥクに乗車していた日本人が、後方からバイクで近づいてきた犯人に、膝の上のバッグをひったくられる被害が多発しています。 教訓: トゥクトゥク乗車時は、手荷物を体の中心でしっかりと抱え、車道側に置かないこと。スマートフォンなどの貴重品を安易に使用しないことが重要です。 ★出典:在カンボジア日本国大使館

    カンボジア・プノンペンでいかさま賭博による高額被害

    時期: 継続的に発生
    概要: プノンペン市内において、日本語で親しげに声を掛けてきた人物に自宅等に誘われました。そしていかさま賭博で多額の現金をだまし取られる被害が報告されています。
    教訓: 見知らぬ人からの安易な誘いには絶対に乗らないこと。「自宅でお茶でも」「困っている」といった同情を誘う言葉には特に注意が必要です。
    ★出典:外務省海外安全ホームページ

    タイ・バンコクで手術・入院、高額医療費請求

    時期: 2018年以前 概要: 急病でタイの民間病院に入院し、手術を受けたところ、日本円で約350万円の医療費を請求された事例があります。カンボジアから医療搬送された場合はさらに高額になります。 教訓: 海外の医療費は日本と比較にならないほど高額です。治療・救援費用が無制限、または数千万円レベルの十分な補償額の海外旅行保険への加入が不可欠でしょう。 ★出典:外務省

    出典および参考URLまとめ

    在カンボジア日本国大使館: https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000094.html
    外務省海外安全ホームページ:
    https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_004.html
    外務省「海外で注意すべき感染症」:
    https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/health/kansensho.html

    カンボジア旅行の安全に関するFAQ

    カンボジア旅行に関して、よくある質問とその答えをまとめました。不安な点を解消して、安心して旅の準備を進めましょう。

    よくある質問と答え
    カンボジアの治安は本当に大丈夫?旅行しても安全なの?

    カンボジアの治安は、日本の基準で考えると「良い」とは言えません。特にプノンペンなどの都市部では、ひったくりやスリが多発しています。ただし、危険な場所や時間帯を避け、基本的な防犯対策(貴重品管理、夜間の一人歩きを避けるなど)を徹底すれば、安全に旅行を楽しむことは十分に可能です。

    女性一人での夜間の外出は危険ですか?

    はい、危険です。カンボジアに限らず、多くの海外都市で女性の夜間の一人歩きは犯罪に巻き込まれるリスクを伴います。特にバーやクラブ周辺、照明の少ない暗い路地は絶対に避けるべきです。ホテルから近距離であっても、必ずGrabなどの配車アプリや信頼できるタクシーを利用するなど、安全対策を徹底してください。

    スリやひったくり対策で最も効果的な方法は?

    「狙われない工夫」と「被害を最小限にする工夫」の両方が効果的です。バッグは体の前に抱えるようにたすき掛けにし、貴重品は分散して持ちましょう。現金は一度に使う分だけをポケットに入れ、残りはホテルの金庫などに保管します。歩きスマホはひったくりの格好の標的になるため厳禁です。こうした対策で、そもそも犯罪者に「狙いやすい」と思わせないことが重要です。

    海外旅行保険は必ず必要ですか?高額な医療費が心配です。

    はい、海外旅行保険は必須です。カンボジアの医療費は、特に外国人向けの私立病院では非常に高額になる場合があります。万が一の病気や事故に備え、治療費や緊急搬送費用を十分にカバーできる保険(治療・救援費用が無制限または数千万円以上のもの)に必ず加入してください。

    現地の文化やマナーで特に気をつけるべきことは?

    アンコールワットなどの寺院を訪れる際の服装です。肩や膝が出ていると入場を断られることがあるため、必ず隠せる服装を用意しましょう。また、人の頭を撫でたり、人に足の裏を向けたりする行為は失礼にあたります。王室への敬意を払い、現地の人々の信仰や文化を尊重する姿勢が、トラブルを避ける上で最も大切です。

    カンボジア滞在中の緊急連絡先と相談窓口

    万が一のトラブルに備え、緊急時の連絡先をいつでも確認できるように控えておきましょう。スマートフォンに保存するだけでなく、紙に書き出して別に保管しておくと安心です。

    【警察・消防・救急】

    • 警察: 117
    • 消防: 118
    • 救急車: 119
    • プノンペン都ツーリストポリス: 012-999-999 / 012-702-814
    • シェムリアップ州警察ツーリストポリス: 012-402-424
    【日本の公的機関】

  • 在カンボジア日本国大使館(プノンペン)
  • 在シェムリアップ日本国領事事務所
  • 外務省海外安全相談センター(日本国内から)
    • 電話: 03-5501-8162
  • 【医療機関】

  • (※以下は日本語対応の可能性がある、または外国人の利用が多いとされる医療機関の例です。受診前に必ずご自身で対応状況をご確認ください。出典: 在カンボジア日本国大使館ウェブサイト等)
  • プノンペン:
    • Sunrise Japan Hospital Phnom Penh (サンライズ・ジャパン・ホスピタル)
    • Royal Phnom Penh Hospital (ロイヤルプノンペン病院)
    • Ken Clinic (ケンクリニック)
  • シェムリアップ:
    • Royal Angkor International Hospital (ロイヤルアンコール国際病院)
  • カンボジアの治安と対策まとめ

    この記事では、カンボジア、特にプノンペンとシェムリアップの治安リスクと安全対策について詳しく解説してきました。最後に、安全な旅行のために必ずチェックすべきポイントをまとめます。

    • 治安レベルの認識: カンボジアは日本の常識が通用しない場所。外務省危険情報「レベル1」の意味を理解し、常に警戒心を。
    • ひったくり・スリ対策: バッグは体の前でたすき掛け、歩きスマホは厳禁。トゥクトゥク乗車中も油断しない。
    • 詐欺・ぼったくり対策: 日本語での安易な誘いには乗らない。交通機関は料金交渉を明確に。配車アプリが有効。
    • 夜間の行動: 夜間の一人歩き、特に女性は絶対に避ける。近距離でも信頼できる交通手段を利用する。
    • 交通事故対策: 道路横断時は信号が青でも左右を必ず確認。予測不能な動きに対応できるよう常に周囲に注意。
    • 健康管理: 感染症対策(虫除け、動物に触らない)と食中毒対策(生水・氷は避ける)を徹底する。
    • 保険の加入: 高額な医療費に備え、治療・救援費用が十分な海外旅行保険に必ず加入する。

    カンボジアは魅力的な文化遺産と温かい人々に触れられる素晴らしい国です。リスクを正しく理解し、しっかりとした対策を講じることで、その魅力を存分に、そして安全に楽しむことができます。あなたの旅が、最高の思い出になることを心から願っています。

    目次