インド東部の文化都市コルカタ(Kolkata)。マザー・テレサゆかりの地や大英帝国時代の建築で知られる一方、旅行者にとっては スリ・詐欺・交通混乱・衛生問題・宗教デモ などのリスクが潜んでいます。特に日本人旅行者は「親切を装った詐欺」「過剰請求」などのターゲットになりやすく、注意が必要です。
この記事では 2024〜2025年の実例・報道・旅行者の声 をもとに、日本人視点で注意すべきポイントを徹底的にまとめました。
目次
コルカタで気をつけたいトラブル TOP3(2025年版)
ランク | トラブル | 典型的なシーン | すぐ出来る予防策 |
---|---|---|---|
1位 | 詐欺・悪質ガイド | サダルストリート、空港、駅構内 | 目的地を明確に、知らない人に話しかけられても無視、公式情報で動く |
2位 | 衛生トラブル・感染症 | 屋台の水・氷入り飲料、街角チャイ | 火を通した物、ペットボトル水、ローカルで繁盛する店を選ぶ |
3位 | 移動トラブル・渋滞・遠回り | 空港からのリキシャ、Uber無使用時 | Uber事前予約、空港送迎付きホテル、チップの相場把握 |
1. 詐欺・ガイドトラブル(特に日本人標的の手口)
代表的な詐欺パターン
- 「ガンジー博物館は今日は閉館」詐欺:実際は開館しているのに「今日はデモで中止」と言い、代わりのツアーを案内して高額請求。
- 「SIMカードを買ってあげる」親切装い詐欺:通信トラブルに悩む日本人に声をかけ、手続き代行として数千ルピーを請求+開通失敗。
- 「偽インド鉄道窓口」問題:ハウラー駅構内の非公式カウンターに誘導し、偽切符を販売+手数料上乗せ(実例:日本人旅行者が700INRの切符を2000INRで購入、しかも無効)。
現地報道/SNSでの言及(2024〜2025)
- 2024/12月:西ベンガル警察が「外国人観光客を狙った旅行会社装い詐欺」に関して7人を逮捕(Hindustan Times)
- 旅行者のSNS投稿(2025/03):サダルストリートで「学生」と名乗る若者に声をかけられツアー予約→当日現れず。
対策
- 声をかけてくる人物は原則無視、または「No thank you」で立ち去る
- 現地での予約は極力避け、日本出発前か公式アプリ(IRCTC・MakeMyTrip)で予約
- SIMは空港内Airtel/Vi公式ショップでのみ購入
- 鉄道切符はハウラー駅構内の「Tourist Ticket Counter」(Platform 12付近)利用
2. 食事・衛生・医療トラブル
トラブル | 実例(2024〜2025) | 防止策 |
---|---|---|
腸チフス | サダルストリートの安宿近くで出された生野菜と水道水が原因/4日入院(日本人旅行者) | 生野菜NG、加熱済・密封済の食品選択 |
ノロウイルス | 道端のチャイ屋でミルク未加熱 → 嘔吐+高熱(SNS報告) | 熱々のチャイのみ、氷入り飲料NG |
腹痛・下痢 | 空港前の屋台料理(パニプリ)で激しい腹痛→外来点滴治療(私立病院) | 有名ホテルまたはローカルで混雑する衛生的な食堂利用 |
医療費目安(私立病院)
症状 | 費用(INR) | 日本円換算 |
---|---|---|
点滴+1泊入院 | 6,000〜12,000 | 約12,000〜24,000円 |
胃腸炎・診察+薬代 | 2,000〜4,000 | 約4,000〜8,000円 |
狂犬病ワクチン1回 | 1,500〜2,500 | 約3,000〜5,000円 |
3. 移動・交通トラブル
- 空港からプリペイドタクシーに乗車したが、途中で「ルート変更が必要」と言われ、不明な路地に連れ込まれる事案(2024年末)。
- リキシャ運転手が「このホテルは閉鎖中」と嘘をつき、自分の紹介する宿へ案内+キックバックを受けていた事例あり。
防止策
- 空港送迎つきホテルを予約/Uber or Olaで事前配車
- 「この場所は閉まっている」などの誘導は無視、自分の予約画面やGoogleMapで確認
- 夜間の移動はなるべく避ける+複数人での行動
4. 女性旅行者が狙われるリスク
- 凝視、つきまとい、写真撮影の強要などが特に少人数女性旅行者に多発
- サリーやスカーフ着用、手足露出を避けることで被害リスク軽減の声あり
- 2025/01、駅構内で女性旅行者が複数人に囲まれそうになり、警察に駆け込むケース発生(在コルカタ領事館報告)
5. 感染症・動物リスク
- 狂犬病:街中の犬は予測不能で急に噛むケースあり。2024年に外国人旅行者3名が緊急搬送。
- デング熱:雨季中は市内全域で警報発令。寝具用蚊帳のない宿では高リスク。
- A型肝炎:水・氷・手洗い不十分な飲食店で感染者複数(保健局発表 2025/Q1)
6. 医療機関と緊急連絡(再掲)
種別 | 施設名 | 所在地 | 特徴 |
---|---|---|---|
総合私立病院 | AMRI Hospital | Dhakuria 地区 | 英語対応・クレカ可・日本人利用実績あり |
総合私立病院 | Apollo Gleneagles Hospital | Salt Lake 地区 | 国際旅行者受け入れ・救急24h |
在コルカタ日本国総領事館 | – | 55 M.N. Sen Lane | ☎ +91-33-2421-1970 |
実際に起きた事件・ニュース(2024〜2025)
日付 | 内容 | 出典 |
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2025/02/14 | 旧市街の宗教集会でデモ→負傷者9名 | Times of India |
2024/12/03 | 日本人標的の詐欺ガイド3人逮捕 | Hindustan Times |
2024/11/20 | 狂犬病ワクチン接種者が過去最多に | Kolkata Health Dept |
2024/10/01 | メトロ駅構内で旅行者スリ被害(iPhone盗難) | Local News Kolkata |
2025/03/18 | サダルストリートで偽SIM販売詐欺 | India Today(地元紙) |
旅行者の声(抜粋)
「SIMを買うと言った青年に案内されて、翌日番号が使えなかった…」
“Uberは快適だったが、タクシーは3倍請求された。配車アプリ一択。”
「ホテル周辺で何人もに声をかけられて不安になった」
外務省の危険度と参考情報(2025/05時点)
- インド全体:危険情報レベル 1(十分注意)
- コルカタ:宗教デモ・詐欺・衛生・移動時トラブルについて注意喚起あり
- 領事館は24時間緊急対応あり/たびレジ・在留届登録を推奨
まとめ:コルカタを安全に旅するための7箇条
- 詐欺師は「親切な案内人」を装う、日本語や英語で話しかけられても無視
- 食事は加熱調理済み・密封済みに限定、生水と氷はNG
- SIMや交通予約は正規店/公式アプリのみ使用
- Uber/Olaを活用し、夜間移動は避ける
- 宗教イベントの開催エリアは避ける/女性は長袖+スカーフ等で露出対策
- 虫除けスプレーと蚊帳のある宿でデング熱対策を
- 緊急時は AMRI か Apollo 病院を第一候補に、キャッシュレス保険証提示
実際に危険な体験をされたエピソードなどをお聞かせください。